イエスが話された物語サンプル

地位の回復

放蕩の限りを尽くして落ちぶれた息子は、実家に行ってせいぜい食事をさせてもらってお風呂を借りることができればいい、と思っていました。すると、なんと、父親の涙ながらの抱擁という歓迎を受けたのです。それだけではありません。以前と同様、家族の一員としての立場を回復できたのです。

「しかし父は僕たちに言いつけた、『さあ、早く、最上の着物を出してきてこの子に着せ、指輪を手にはめ、はきものを足にはかせなさい。また、肥えた子牛を引いてきてほふりなさい。食べて楽しもうではないか。このむすこが死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったのだから』。それから祝宴がはじまった」（ルカの福音書15章22－24節）。

この父親の優しさを、息子は無駄にするかもしれません。つまり以前と同じように、父親から受け継いだ財産を使い果たしてしまうような、恩知らずなことをするかもしれないのです。そのリスク（危険）を知りつつも、父親は息子をもう一度迎え入れ、彼が悔い改めることを信じ、霊的に成長することを祈ったのです。

私たちはこの父親のようには行動しません。だからこの話は、ありえない程素晴らしいのです。私たちが相手をゆるす時は、相手を非難し、呑んで欲しい条件を出します。また、相手を拒絶したり交渉したりします。また相手の行動の規制なども出てきます。

ぜひ、個人としても、クリスチャンの組織としても、イエスの話に登場する父親のようになりましょう。つまり、わがままで言うことを聞かない子どもたちの悔い改めを心から願い、その子たちが家に帰ってきた時には、飛び上がる程うれしく思い、限りなく親切な心でもてなしましょう。