イエスが話された物語サンプル

「良い」息子

残念ながら、これで一件落着とはいきません。長男である「良い」息子は激怒しています。

「ところが、兄は畑にいたが、帰ってきて家に近づくと、音楽や踊りの音が聞えたので、・・・兄はおこって家にはいろうとしなかったので、父が出てきてなだめると、兄は父にむかって言った、『わたしは何か年もあなたに仕えて、一度でもあなたの言いつけにそむいたことはなかったのに、友だちと楽しむために子やぎ一匹も下さったことはありません。それだのに、遊女どもと一緒になって、あなたの身代を食いつぶしたこのあなたの子が帰ってくると、そのために肥えた子牛をほふりなさいました』」（ルカの福音書 15章25, 28－30節）。

悲しいかな、多くの悪い息子や娘たちは冷たい世の中をさまよい、模範的な兄や姉たち（教会の人たち）が自分のことを心の中で裁いて嫌っていると思い込んでいます。教会は本来、神の恵みを人々に分け与える場所ですが、時々このたとえ話の兄のように冷たく疑い深い組織になってしまうのです。

ここには偽善の匂いがします。自分を律した生活をしている人もやはり生まれながらの罪人です。この人たちも放蕩息子や放蕩娘たちと同じくらい、キリストの恵みとゆるしが必要です。教会にとどまっていられることさえも、聖霊の恵み深い働きによるのです。自分の良い行いで頭がいっぱいになればなるほど、キリストを心に迎え入れる余裕はなくなります。