ルツ—あがないの物語サンプル

麦の打ち場で

ルツとボアズはごく普通の人でありながら、その信仰と神への服従が際立っているために目を引きます。疑いなくルツは信仰に歩む女性でした。ベツレヘムへの途上でルツはいつわりのない心で回心し、新天地への旅を続けました。落ち穂拾いにでたとき、ルツは神が自分とナオミの食糧を備えてくださることを信じていました。困難の真っただ中にあってもルツは神を信じ、頼っていたのです。

どんなに困難な時期に差し掛かっても、一つ確かなことは神が備えてくださるということを確信し、神に頼らなければならないということです。どんなに困難な時であったとしても、自分の限界まで信仰を働かせて神を信頼できるという確信を自分でつかみとっていかなければなりません。そうでなければ信仰自体が成長することはありませんし、神が私たちの人生においてなされることを完全に知ることはできません。

ルツは徳の高い女性でした。そしてまたルツがその足元に身を横たえた男性も同じです。ボアズとルツはその意味で釣り合っている２人でした。神の備えと恵みを通して徳の高い２人が出会ったのです。この話を通して多くのことが語られていると思います。

ルツが真心、信仰、謙遜をもって歩んでいますと、愛する人からその行動を褒められます。ボアズはルツが優れていること、徳が高いことに気づき、2章でルツのために祈った自分の祈りに答える形でルツに敬意を表します。しかしそれ以上に、神がルツの優秀さと徳の高さに目をとめていたのです。

「人格とは誰も見ていないときのあなたの姿のことだ」ということわざを聞いたことがあります。ルツ自身は自分の人生がこれ程に注目されるとは夢にも思わなかったでしょうが、数え切れないほどの人々が彼女の人生を人生の見本だと考えて尊敬しています。神がすばらしい人格を持つ神の民を通して成し遂げたいと思っていることを想像してみてください。誰も見ていない、何の見返りもないときに行う行動こそが神が気づいてくださる人格なのです。

あなたも私もルツやボアズのように「徳の人」と呼ばれることができるようになりますように。希望が見えない時にこそ信仰によって歩んでください。与えられた機会に謙遜をもって応えてください。周りにいる人々に愛に満ちた思いやりの手を差し伸べてください。知らないところであなたの人生が誰かの人生に影響を与えているかもしれません。