ヒーローたちサンプル

ヒーローたち

31日中 27日

6.犠牲
ヨケベデ

養子縁組の際、養子に出された子どもが新しい家庭に馴染んだことがわかると、周りに良い空気が流れます。もちろん、養子を受け入れる側の緊張感や経費のこと、子どもが将来、自分が養子であることを知った時には少なからずショックを受けることは想像できます。しかし、産みの親が誰なのか知らないことの方が多いので、産みの母親自身の苦しみについて考えることはあまりありません。

ヨケベデについて考えてみてください。彼女の名前はヘブル語読みでは「ヨケーブエド」となります。彼女と夫アムラムは不運なことに、エジプトのファラオが男の赤ちゃんをすべて殺すと宣告した時に奴隷としてエジプトで暮らしていました。

「さて、レビの家のひとりの人がレビ人の娘をめとった。女はみごもって、男の子を産んだが、そのかわいいのを見て、三か月の間その子を隠しておいた。しかしもう隠しきれなくなったので、パピルス製のかごを手に入れ、それに瀝青と樹脂とを塗って、その子を中に入れ、ナイルの岸の葦の茂みの中に置いた」(出エジプト記 2章1-3節)。

この女性は私にとって英雄です。彼女は母親としての自分の欲求を犠牲にして、モーセを生かしておきたいがために、川の茂みの中に置くという手段で養子に出しました。エジプト人の女性がその小さなかごを見て、同情心をもって子どもの命を救ってくれるようにと願ったのです。彼女は、かわいい息子のモーセが他の女性を「ママ」と呼ぶという、酷い喪失感を味わわなくてはなりませんでした。この母親の計画はうまく行きました。神は、この誉れ高い母親の行為を用いて、エジプトの王宮で将来のリーダーを育て、教育を施しました。
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この読書プランについて

ヒーローたち

この読み物シリーズでは、聖書に登場する数々の英雄のうち、ジェスキ牧師のお気に入りの人物を紹介しています。聖書には粗野で、人生に苦労している人々が神の役に立った話などが書かれています。こうした人たちの実例を知るのは、よい学びの機会となるでしょう。

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