ヒーローたちサンプル

５．リーダーシップ
サムエル

サムエルは最後の士師であり、預言者としての最初の人物だということができるかもしれません。彼は部族的な社会から君主国家に移行する橋渡しのような存在でした。イスラエル国家の代表として彼は絶大な権力を行使しました。アメリカの西部開拓時代に法的権威を持った人々が町々を巡ったように、サムエルも預言的、そして士師的な立場で人々の元を巡りました。そして現代の政治家たちとは違い、私腹を肥やしたり、自分自身がより快適な生活をするためにその権力を使うことをしませんでした。

「この私は年をとり、髪も白くなった。・・・私は若い時から今日まで、あなたがたの先に立って歩んだ。さあ、今、主の前、油そそがれた者の前で、私を訴えなさい。私はだれかの牛を取っただろうか。だれかのろばを取っただろうか。だれかを苦しめ、だれかを迫害しただろうか。だれかの手からわいろを取って自分の目をくらましただろうか」（サムエル記　第一 12章2,3節）

政治では、いつでもお金が絡んできます。それは、人々が自分たちの罪の結果から逃れるために人の影響力や権力をお金で買おうとするからです。たくさんお金がある方がよい、という考えに因われないでいられる人が、果たして私たちの中にいるでしょうか。

サムエルは私にとって、人生の終わりに最高の満足をもたらすのは、どれだけ自分の快楽のためにお金を稼いだか（もしくは使ったか）ということではない、と示してくれた英雄です。最高の満足をもたらすのは、神の救済計画にどれだけ自分が役に立てたか、ということなのです。