聖書は生きているサンプル

聖書は国を変える

1800年代初頭のことです。12歳になるナイジェリア人の少年が家族と共に家から連れ去られ、米国に向けて出航するポルトガルの奴隷船に乗せられました。しかし、その船がアフリカの海岸を離れようとする時、奴隷貿易を取り締まる警備隊の手入れにあい、奴隷商人は逮捕されました。少年と家族はその後自由の身となり、シエラレオネへと送られました。この地で少年は聖書の力と出会ったのです。

この少年、サミュエル・アジャイ・クラウザーはクリスチャンとなって後、数カ国後を習得し、シエラレオネの近隣国へ宣教師として遠征隊に加わりました。しかし、この間ずっとクラウザーは英語で聖書を学び続けていました。それというのも、彼の母語であるナイジェリアのヨルバ語の聖書がなかったからです。

ということは、ナイジェリアの人は英語ができなければ神の言葉を自分で読めないということです。そこでアジャイはヨルバ語の表記と文法体系を作る手助けをし、後には聖書をヨルバ語に翻訳しました。

ヨルバ語訳聖書が完成すると、彼はナイジェリアで使われている他言語への聖書の翻訳に取り掛かりました。自ら経験した、人生を変える力のある聖書をもっと多くの人に知ってほしいと願ったからです。

クラウザーは後に英国国教会から「ニジェールの司教」に選ばれ、英国国教会初の黒人司教となります。現在、ナイジェリア聖公会はアングリカン・コミュニオンの管区の中で二番目に大きく、受洗者の会員も千八百万人以上を有しています。

クラウザーを通して働かれた神、その同じ神があなたを通し、神の言葉によって世の人に影響を及ぼしたいと望んでおられます。人生が変えられることを待ちわびている人たちに御言葉を届けるのは他の誰でもない、あなたかもしれないのです。

ですから、今日、神のご計画の一端を担うのに、あなたにしかできない役割は何か、神に尋ね求めてください。そして、あなたの人生のうちに働いてくださる力によって、わたしたちが求めまた思うところのいっさいを、はるかに越えて神がかなえてくださることを自分の目で確かめてください。