愛についての七つの法則サンプル
愛は恵みをもたらす
イエスは愛と真理を完全に体現されていました。一度も嘘をつかず、同時に真理に対して決して残酷になったり批判的になったりなさいませんでした。イエスが語った言葉はすべて愛に包まれていたため、たとえ心痛むような真理であっても、誰の信頼も損ないませんでした。
イエスが死刑を宣告されたとき、弟子たちは同じ運命になることを恐れて散り散りになりました。ただペテロだけは、主がどのような最後を迎えるのか見届けるために、秘密裏についてゆきました。しかし、そこで何人かの人々に自分の正体を見破られたため、ペテロはイエスのことなど全く知らないと必死に否定したのです。イエスが最も窮地にいるときに、ペテロはイエスを裏切ったのでした。
自身の行いに打ちのめされたペテロは、その夜イエスから離れ、悲しみの涙に明け暮れました。自分自身を恥じ、イエスもまたペテロを恥じているだろうと確信していました。翌日、イエスが十字架上で亡くなり、ペテロは自分自身の人生も終わり、残りの人生は恥とともに生きることになると思い込みました。
しかし、愛はいつも回復の道を与えてくれます。
イエスは死に打ち勝ち、御復活されたのち、ペテロの前にあらわれました。穏やかな朝陽の中で、イエスが浜辺でいつものように朝食を作っているのを、漁をしていたペテロが見つけるやいなや、文字通り舟から飛び降り、救い主のもとに向かったのです。
ペテロが岸に着いたとき、イエスは彼に同じ質問を三回お尋ねになりました。「ヨハネの子シモンよ、わたしを愛するか?」そのたびにペテロは「はい、主よ。私があなたを愛していることは、あなたがご存じです。」と答え、そのたびにイエスは「わたしの羊を養いなさい」とお応えになりました。
ペテロは同じ質問を三度目にされたとき心がいたみましたが、そのときペテロはイエスがペテロに示した愛により、私たちのすべての罪を覆い隠してくださったことに気付いていませんでした。ペテロが三度イエスを知らないと言ったため、イエスはペテロにイエスへの愛を三度断言できるように、恵みを広げてくださったのです。
私はあなたがどのような経験をしてきたのかを知りません。また、あなたがどのように傷つけられ、裏切られたのか、または他の誰かを傷つけ、裏切ったのかも分かりません。私が知っていることは、神はあなたを愛しているということです。神はあなたに神の恵みを与え、あなたが神の恵みを喜び抱き、隣人と自由に分かちあってほしいのです。