主の祈りサンプル

The Lord's Prayer

8日中 6日

赦し

わたしたちに負債のある者をゆるしましたように、わたしたちの負債をもおゆるしください。

はじめに押さえておきたいのは、ここでの「負債」とは罪を意味し、「負債のある者」とは私たちに対して悪を行った人のことを意味するということです。まるで関係のないことのようですが、日常的にお金を得る、または失うというとても具体的な概念に慣れているからこそ、負債という考え方は罪の理解に役立ちます。罪とは「負債」なのです。

ここで見落としてはいけない重要なことが3つあります。

1つ目は、聖書がはっきりと示すように、すべての人間が、徹底的に赦される必要があることです。罪という概念を非常に軽く扱う人もいます。あたかもそれが、ジャケットについた小さなほこりのように、簡単に払い落とせるような、ささいな問題であるかのように考えています。聖書が描いて見せる私たちの罪は、悲しいことにもっと広範囲にわたり、より根深く、さらに全員に当てはまるものです。

  • 罪にあたるものは、私たちが思うよりも「広範囲に」及びます。罪とは、衆目を集めるような利権争いや大規模な汚職、不倫や殺人などニュースの見出しに出るようなことだと単純に考えがちです。また重大な罪というものは、自分個人は決して犯すことがないと考える傾向があります。それに対し聖書の罪の定義は、広範囲に及びます。妬み、裏切り、無礼、偽善、傲慢、卑劣など、特にスポットライトが当たることのない、微妙で個人的な罪も含まれています。実際、イエスはそのような行動だけが罪なのではなく、考えること自体にも罪があると指摘しています。
  • 同様に、罪は私たちが思うよりも「根深い」ものです。深刻な慢性感染症のように、人間の身体や心、精神をむしばみます。さらに恐ろしいのは、これは単に人間同士の中に入り込むだけでなく、人間と神との間にもはびこるという事実です。 
  • 罪はまた、認めたくありませんが「全員に当てはまる」ものでもあります。誰もそれを免れることはありません。これは聖書が教えていることだけではなく、キリストの生涯を通して描かれています。福音書を読むと、私たちの誰もが満たすことのできない完璧な基準が示されていることがわかります。

2つ目は、赦しの可能性があることです。さまざまな宗教や信仰団体がする最も残酷な行為の1つは、赦しを与えることなく人を断罪することです。これは医師が治療法を提示せずに、あなたは深刻な病気にかかっていると宣告するようなものです。キリスト教の素晴らしいところは、赦しの神を中心にその教えがあることです。その神とともにいることで、私たちの負債は免除していただけるのです。旧約聖書の教えは、信者の罪を取り除くため、動物が犠牲になるという考えに基づいていました。これらの犠牲がさし示していたのは、イエスが十字架に架かるという究極の犠牲であったということを、新約聖書は重大な事実として述べています。私たちの負債は、神に払ってもらう場合にのみ、返済することができます。この罪は消すことができます。キリストにあって私たちは罪から解放されるのです。

3つ目は、この無償の赦しが最高の知らせであっても、これには義務が伴うことです。赦されるなら、赦さなければなりません。これは論理的なことです。罪を癒やすために、赦しという薬が与えられたのであれば、自分に対して罪を犯した人にそれを出し惜しみすることはできません。この原則はよく誤解されます。神の赦しはまず自分が相手を赦すかどうかにかかっている、と考える人がいるためです。そうではなく、本質は神が最初に、そして無償で赦しているのです。しかしこれには前提があることを覚えていてください。もしあなたが赦されたのなら、その赦しはおのずと他の人へと溢れ出るのが自然な反応であるべきなのです。赦されることと赦すことの間には、断ち切れない繋がりがあります。辛抱強く続けてください!

赦すのは簡単だという、幻想を抱いているわけではありません。不親切な扱いを受けたり、裏切られたりしたとき「赦します」と言うのは簡単でしょうが、実際は心に深い傷を受けているために、治癒には時間がかかり、聖霊の助けが必要になることもあります。

また、このことも覚えていてください。私たちは十字架において赦されたとしても、絶えず赦してもらうために神のところに来る必要があるということです。完全な親である神との新しい関係では、自分が間違ったことをしたときに、それを包み隠さず話す必要があります。告白もできない罪は、自分と神との間に壁を作ってしまい、その関係を損ないます。日ごとの食物を求めるのと同じように、日々の赦しを求めるべきなのです。

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この読書プランについて

The Lord's Prayer

「主の祈り」について、J・ジョン(J. John)氏によるこの8日間の読書プランで一緒に学びましょう。このイエスの教えは非常に意義深く、どのように祈るべきかわかりやすく説かれています。

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このプランを提供してくださったJ・ジョン(J.JOHN)氏に感謝します。詳細については、https://canonjjohn.comをご覧ください。