講解 ヘブル人への手紙 ― トニー・エバンスサンプル
アスリートであれば、「壁にぶつかる」という表現になじみがあるかもしれません。「壁にぶつかる」とは、長いレースや競技中に、突然エネルギーが失われる瞬間を表す言葉です。
ヘブル人への手紙は、「壁にぶつかる」信徒の集団に向けて書かれています。彼らは前進せず、その場にとどまり、霊的な成長を拒んでいました。迫害を経験したためかもしれません。また、ユダヤ人キリスト教徒であったために、キリストを離れてユダヤ教に戻ろうという誘惑にかられていた可能性もあります。いずれにしても、救いを失うことはありませんが、神が用意された祝福を失う恐れがあります。
ヘブル人への手紙の著者は、読者をよく理解していたため、旧約聖書を多く引用して、イエス・キリストが御使たち、モーセ、旧約の律法、祭司、そしていけにえを超越する存在であることを示しています。著者は、キリストの卓越した美しさ、ささげられた犠牲の偉大さ、さらに、揺るぎない御国の約束が、信者を信仰へと励まし、苦しみの中でも堅く立つべきだと主張していいるのです。
クリスチャンの信仰生活は簡単ではありません。試練や艱難(かんなん)、苦しみ、迫害、不利な状況に満ちています。今、このような困難に直面していますか?あきらめたくなることがあるでしょうか?もしかすると、信仰生活が本当に価値のあるものなのかと疑問をもっているかもしれません。
あきらめないでください。神は見捨てず、困難な時期に忍耐する力を与えてくださいます。信仰の導き手であり完成者であるイエスを仰ぎ見つつ、大いなる救いに喜びを見いだしましょう。イエスはどんなものよりも優れているのです。
人生に痛みや悩みがありますか?立ち止まって祈り、耐え忍ぶ力を神に求めましょう。
この読書プランについて
この 5 日間の読書プランでは、トニー・エバンス博士があなたと一緒にヘブル人への手紙の最初の部分 (1章1節 〜 3章6節) を旅して、「イエス・至高の人」について共に考えます。ヘブル人への手紙は、信者に決して諦めないようにと励ますために書かれました。もしあなたが信仰の旅の途中でがっかりした経験をお持ちなら、ヘブル人への手紙を読んで励ましと希望を見つけ、信仰のレースを最後まで力強く走り切ることができるようにしましょう。
More