神の国の結婚(キングダム・マリッジ)サンプル
ある日、少女が祖母の手で遊んでいたとき、ふと、祖母の結婚指輪が目にとまりました。しばらくして、少女は祖母に「どうしてこんなに大きくて重いの」と尋ねました。他の細い華奢(きゃしゃ)な指輪とは全く違うからです。祖母はほほ笑みながらこう答えました。「おばあちゃんが結婚した当時は、指輪は長く使えるように作られていたからよ」と。
多くの夫婦が結婚指輪を手放す理由のひとつは、結婚を当事者間の契約と捉えているためです。契約とは、2人以上の当事者間で交わされる条件付の合意で、全員が必ず実行することになっています。期間限定で結ばれ、「もし~だったら」という前提で成立します。「相手がこうしてくれたら、私もこうしよう」という具合に。人が契約を結ぶのは、そこから得られるものがあるからです。そして、欲しいものがなくなったとき、あるいは、より良い選択肢を見つけたとき、契約の解除を正当化するのです。
しかし、聖書は結婚についてこのような定義をしていません。聖書が語る結婚は神と人との契約によるもので、神が創り出した永続的な絆(きずな)です。規則、責任、恩恵が伴います。神と人との契約は、相手のためを思って結ばれる親密な関係です。そこでは、個人の必要性よりも両者の関係の良さが優先されます。このため、神と人との契約は無条件で約束されるのです。つまり、霊的な領域で神が定めたことを、現実の生活で行うのです。結局のところ結婚の誓いは「神の前」で交わされるため、夫婦だけでなく神とも交わすことになりますので、夫婦の誓いを破ることは、神との誓いを破ることになるのです。
夫と妻が期間限定の当事者間同士の契約ではなく、神と人との契約によって結婚することで、神の「おおい」を受けることができます。傘みたいなものです。傘をさしたからといって雨がやむわけではありません。しかし、あなたが雨でぬれないようにおおってくれます。
神のおおいのもとで結婚生活を送れば、困難がなくなるというわけではありません。しかし、神のおおいのもとにいることで、困難があってもそこから受ける影響はかなり違ってくるのです。
聖書の契約に基づいて配偶者と関係を持つにはどうしたらよいでしょうか?
この読書プランについて
結婚には大きな喜びと同時に大変な困難が伴います。困難がある理由の一つに、聖書的な結婚の目的を私たちが見失っていることが挙げられます。神を抜きにして、幸せを基準に結婚を定義づけてしまったのです。しかし結婚とは、神の支配を全世界に広げ、神をたたえるために存在します。トニー・エバンス博士によるこの5日間の読書プランで、夫として妻として、神の国に生きるとはどういうことか、学んでいきましょう。
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