ルツ記―神の愛とあがないの物語サンプル

Ruth: A Story of God’s Redeeming Love

7日中 5日

あがないの権利を持つ親戚とは、夫に先立たれた女性と結婚し、亡くなった男性の跡継ぎを絶やさないようにする近い親戚のことを指します。現代の私たちの感覚からすると奇妙に聞こえますが、これも当時のイスラエルで神がやもめや孤児を養われた方法のひとつでした。エリメレクの近親者として、ボアズはあがないの権利を持つ親戚のひとりでした。しかし、大麦と小麦の収穫が終わる頃になっても、ボアズはあがないの権利を持つ親戚としての責任を果たしていませんでした。穀物の脱穀とあおぎ分けの時期になっても、ボアズはまだなんの行動も起こしません。お節介なしゅうとめがよくするように、ナオミもボアズにプレッシャーをかけることにしました。

ナオミはルツに身を洗って油をぬり、晴れ着をまとうように指示しました。こう言うことにより、ナオミはルツに喪に服している女性としてではなく、通常の生活に戻った女性として装うように指示したのです。さらに、打ち場に下って行き、ボアズを見つけ、その足の所をまくって、そこに寝るように、また、そこでボアズの指示を待つようにと言ったのです。

ナオミはルツに、夜に独身の男性のところに訪ねていくように指示しました。まともな女性なら普通は行きません。ナオミのこの計画に同意するということは、ルツは事実上、自分への暴行を誘おうとしていたことになります。身を洗って油をぬり、晴れ着をまとった若い女性が、真夜中に自分のベッドに入ってきら、ボアズはどう考えればよいというのでしょうか。ボアズが誤解してもおかしくありません。しかし、それこそがナオミの意図するところだったのかもしれません。そして、ルツはそれに従ったのです。ナオミがルツに出した指示は神の定められた時を待ちきれない焦りからきているようで、そもそもナオミの家族がモアブに住むことになったときと同じように見境いのない行動に思えます。

永遠という観点からすると、神の時は常に完璧です。私たちは神の定められた時を待ちきれなくなり、神の誠実さを疑うことがあるかもしれません。すべてを統べ治める神が御旨(みむね)を行われようとしている時に神の御手(みて)を急かそうとしてしまうことがあります。ナオミやルツのような極端な行動にはでないかもしれせんが、無理にでも突き進み、未来の道を舵取りしようとするのです。神を待ち望む代わりに、自分自身が神の役割を果たそうとします。聖書には、私たちが主を待ち望むべきであるということがはっきり何度も書かれています。聖書にはこのことが40回以上も書かれているのです。

神の時を信じ、神を待ち望むことは容易なことではありません。ナオミがルツにボアズを待つように命じたのは、皮肉に思えます。自分は神を待つことを拒んだにもかかわらず、ルツにはボアズが行動するのを待つようにナオミは言ったのです。私たち自身もナオミとたいして変わりはありません。ナオミのしたことをすぐに批判したくなるかもしれませんが、ナオミは深い信仰から行動したのかもしれないと考えることもできます。おそらくナオミは、リスクの高い自分の計画を神が用いてくださり、神の益がもたらされると信じていたのでしょう。最終的には、ナオミの行動にもかかわらず、神の御旨(みむね)は前進することになったのです。

あなたの人生において、神の時を待ち望んでいる事がらはありますか。独身で未来の伴侶を待っているかもしれません。仕事がなく、次の新しい仕事を待っているかもしれません。もしかしたら、不妊の悩みを抱えていて、子宝に恵まれる祝福を待っているのかもしれません。主は約束の実行をおそくしておられるのではないと聖書に書いてあります。神の定められた時は完璧なのです!

勘違いしないでください。私も待つことが大嫌いです。しかし、待つことによって、神の素晴らしい御業(みわざ)に対する意識が高まることは確かです。時には、ものごとが収まるべきところに、収まるべきタイミングで、自然に収まるのを待たなければならないということが示されることもあります。しかし、待つこと自体の「目的」が、神があなたに何かを教えることだと考えたことはありますか?

人生において、神があなたに待ち望んでほしいことは何だと思いますか? 主を待ち望む間に神があなたに学んでほしいことは何でしょうか?

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この読書プランについて

Ruth: A Story of God’s Redeeming Love

ルツ記は、おそらく史上最も印象的な短編物語のひとつであり、神のあがないの愛の物語です。すべてを統べ治められる神が、ごく普通の人々の人生を用いてみこころを実現されていく様子が見事に描かれています。神の民に向けられたキリストの愛と犠牲を表現したこの美しい物語から、神があらゆる手段を用いてご自分の子どもたちをあがなわれることを学べるでしょう。

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この読書プランを提供してくださった、Armchair Theology Publishingに感謝します。詳細については、こちらのウェブサイトをご参照ください。 https://www.timothymulder.com/