やがて子どもたちは成長し、野性味のあるエサウは腕のいい猟師となりましたが、ヤコブのほうは穏やかな性格で、家にいるのを好みました。 イサクのお気に入りは兄のエサウです。イサクの好きな鹿肉をよく取って来たからです。リベカは、弟ヤコブのほうをかわいがりました。 ある日、ヤコブがシチューを作っているところへ、エサウが疲れきった様子で猟から帰って来ました。 「ああ、腹ぺこで死にそうだ。その赤いシチューを一口くれないか」と言ったので、このことから、エサウは「エドム」〔「赤いもの」の意〕とも呼ばれるようになりました。 「ああ、いいよ。兄さんの持っている長男の権利と引き換えなら。」 「今にも飢え死にしそうなんだよ。長男の権利なんか何の役に立つんだい。」
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