もろもろの民よ、これを聞け、すべて世に住む者よ、耳を傾けよ。 低きも高きも、富めるも貧しきも、共に耳を傾けよ。 わが口は知恵を語り、わが心は知識を思う。 わたしは耳をたとえに傾け、琴を鳴らして、わたしのなぞを解き明かそう。 わたしをしえたげる者の不義がわたしを取り囲む悩みの日に、どうして恐れなければならないのか。 彼らはおのが富をたのみ、そのたからの多いのを誇る人々である。 まことに人はだれも自分をあがなうことはできない。そのいのちの価を神に払うことはできない。 とこしえに生きながらえて、墓を見ないためにそのいのちをあがなうには、あまりに価高くて、それを満足に払うことができないからである。 まことに賢い人も死に、愚かな者も、獣のような者も、ひとしく滅んで、その富を他人に残すことは人の見るところである。 たとい彼らはその地を自分の名をもって呼んでも、墓こそ彼らのとこしえのすまい、世々彼らのすみかである。 人は栄華のうちに長くとどまることはできない、滅びうせる獣にひとしい。 これぞ自分をたのむ愚かな者どもの成りゆき、自分の分け前を喜ぶ者どもの果である。[セラ 彼らは陰府に定められた羊のように死が彼らを牧するであろう。彼らはまっすぐに墓に下り、そのかたちは消えうせ、陰府が彼らのすまいとなるであろう。 しかし神はわたしを受けられるゆえ、わたしの魂を陰府の力からあがなわれる。[セラ 人が富を得るときも、その家の栄えが増し加わるときも、恐れてはならない。
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