マッサの人ヤケの子アグルの言葉。 その人はイテエルに向かって言った、 すなわちイテエルと、ウカルとに向かって言った、 わたしは確かに人よりも愚かであり、 わたしには人の悟りがない。 わたしはまだ知恵をならうことができず、 また、聖なる者を悟ることもできない。 天にのぼったり、下ったりしたのはだれか、 風をこぶしの中に集めたのはだれか、 水を着物に包んだのはだれか、 地のすべての限界を定めた者はだれか、 その名は何か、その子の名は何か、 あなたは確かにそれを知っている。 神の言葉はみな真実である、 神は彼に寄り頼む者の盾である。 その言葉に付け加えてはならない、 彼があなたを責め、あなたを偽り者とされないためだ。 わたしは二つのことをあなたに求めます、 わたしの死なないうちに、これをかなえてください。 うそ、偽りをわたしから遠ざけ、 貧しくもなく、また富みもせず、 ただなくてならぬ食物でわたしを養ってください。 飽き足りて、あなたを知らないといい、 「主とはだれか」と言うことのないため、 また貧しくて盗みをし、 わたしの神の名を汚すことのないためです。 あなたは、しもべのことをその主人に、 あしざまにいってはならない、 そうでないと彼はあなたをのろい、 あなたは罪をきせられる。 世には父をのろったり、母を祝福しない者がある。 世には自分の目にみずからを清い者として、 なおその汚れを洗われないものがある。 世にはまた、このような人がある―― ああ、その目のいかに高きことよ、 またそのまぶたのいかにつりあがっていることよ。 世にはまたつるぎのような歯をもち、 刀のようなきばをもって、 貧しい者を地の上から、 乏しい者を人の中から食い滅ぼすものがある。 蛭にふたりの娘があって、 「与えよ、与えよ」という。 飽くことを知らないものが三つある、 いや、四つあって、 皆「もう、たくさんです」と言わない。 すなわち陰府、不妊の胎、水にかわく地、 「もう、たくさんだ」といわない火がそれである。 自分の父をあざけり、 母に従うのを卑しいこととする目は、 谷のからすがこれをつつき出し、 はげたかがこれを食べる。 わたしにとって不思議にたえないことが三つある、 いや、四つあって、わたしには悟ることができない。 すなわち空を飛ぶはげたかの道、 岩の上を這うへびの道、 海をはしる舟の道、 男の女にあう道がそれである。 遊女の道もまたそうだ、 彼女は食べて、その口をぬぐって、 「わたしは何もわるいことはしない」と言う。 地は三つのことによって震う、 いや、四つのことによって、耐えることができない。 すなわち奴隷たる者が王となり、 愚かな者が食物に飽き、 忌みきらわれた女が嫁に行き、 はしためが女主人のあとにすわることである。 この地上に、小さいけれども、 非常に賢いものが四つある。 ありは力のない種類だが、 その食糧を夏のうちに備える。
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