エステル記(ギリシア語) E

E
勅書
12a[1] 勅書の写しは以下のとおりである。 12b「アルタクセルクセス大王はインドからエチオピアに至る百二十七州の長官、および予の国家に忠実な人々に挨拶を送る。
12c[2] 多くの者は、恩人からこの上もない愛顧を受けて重んじられるにつれ、ますますうぬぼれ、[4] 予の配下の者に害を加えようとするのみならず、その地位に満足できなくなり、自分の恩人に対する陰謀まで企てるようになる。 12d[4] このやからは、人々から感謝の心を取り去るばかりか、道をわきまえない人々のお世辞に乗せられて、常に万物の上に目を注いでおられる神の、悪を憎む裁きを免れうるとさえ思い込む。 12e[5] また、権威ある職務に就けられた多くの者が、政務をゆだねられた友人たちの悪影響を受けて罪のない者の血の共犯者となり、致命的な災いに巻き込まれたり、 12f[6] 主権者たちの純粋な善意を、悪意に満ちた事実無根の偽りの言葉で欺いたりするということはしばしばあった。 12g[7] 我々に伝えられている古い歴史をひもとくまでもなく、こういったことは、身近に起こっていることを、たとえば権力を握る資格のない者の腐敗によって行われている犯罪を調べてみれば、明らかとなるであろう。 12h[8] 従って、予は将来のことに目を向け、国家を秩序あるものにして万民が平和に過ごせるようにする必要があると考える。 12i[9] そのためには方針を改め、視野に入ってくることを常に公正な態度で判断しなければならない。
12k[10] ところで、ハメダタの子ハマンはマケドニア人であり、実際はペルシア人の血を引かない異国人で、予の情けを受けるには全く値しない者であったが、優遇され、 12l[11] 万民に対する予の友情の恩恵に浴し、その結果、『我らの父』と呼ばれ、王位に次ぐ地位にある者として万民によってあがめられるほどであった。 12m[12] ところが、彼はその高慢な心を抑えきれず、予の覇権と命までも奪い取ろうとたくらみ、 12n[13] 予の救い手であり、常に変わらぬ功労者であるモルデカイと、非のうちどころのない王国の伴侶エステルを、彼らの民族もろとも狡猾な策略を用いて滅ぼし去ろうとしたのである。 12o[14] ハマンはこのように我々を孤立させ、ペルシアの主権をマケドニア人の手に移そうと考えていたのである。 12p[15] しかし、この三重にも悪らつな者によって全滅の憂き目に遭うところであったユダヤ人は悪人ではない、ということが予に明らかとなった。彼らは最も正義にかなった律法に従って生活し、 12q[16] 至高にして偉大な生ける神の子らであり、その神のお陰で、国家は我々のためにもまた我々の先祖のためにも最良の状態に保たれてきたのである。
12r[17] それゆえ、ハメダタの子ハマンが送付した文書は無効であると心得よ。[18] この犯行の張本人は、スサの城門でその家族もろともはりつけの刑に処せられたからである。それは万物の支配者である神が、彼の行いに応じて速やかに下された審判であった。 12s[19] そこで、この勅書の写しをあらゆる場所に公示し、ユダヤ人に彼ら自身の生活習慣に従うことを許し、[20] 彼らの受難の時と定められたかの日、すなわち第十二の月、アダルの月の十三日には、彼らに襲いかかろうとしていた敵を退けることができるよう、援護せよ。 12t[21] 全能の神が、選民の撲滅の日に代えて、喜び祝う日とされたからである。 12u[22] それゆえ、あなたたちもこの記念すべき日を祝祭日の一つとして、盛大に祝え。[23] こうして今も、また先々までも、この日が予と忠実なペルシア人たちにとっては救いの記念となり、我々に陰謀をたくらむ者にとっては滅びの警鐘となるようにせよ。 12x[24] これらの定めに従って行動しないすべての町や州は、槍と火の炎で情け容赦なく滅ぼされ、そこは、人間を踏み込ませないばかりか、獣も鳥も永久に寄せつけない所となるであろう。

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