エステル記(ギリシア語) 5
5
エステル、王とハマンを招待する
† 3[3] 王は言った。「エステルよ、何か望むことでもあるのか。願いとあれば、国の半分なりとも与えよう。」 4[4] エステルは答えた。「今日は私にとって特別な日でございます。そこで、もしも王様のお心に適いますなら、今日私が酒宴を設けますから、ハマンさまと御一緒にお出ましください。」 5[5] すると王は言った。「早速ハマンを来させなさい。エステルの言葉どおりにしてやろう。」こうして二人は、エステルが招いた酒宴に赴いた。
6[6] 王はぶどう酒を飲みながら、エステルに言った。「王妃エステルよ、どうしたのか。願いとあれば何でもかなえよう。」 7[7] エステルは答えて言った。「私の願い、私の望みとは、 8[8] もしもお心に適いますなら、明日もう一度酒宴を設けますから、ハマンさまと御一緒においでいただきたいということです。明日も同じようにおもてなしいたしましょう。」
9[9] ハマンは大いに喜び、上機嫌で王のもとを去った。だが王宮にユダヤ人のモルデカイがいるのを見ると、非常に腹立たしくなった。 10[10] 家に帰ると、友人たちと妻のゾサラを呼び、 11[11] 自分の豊かな財産と王から賜った栄誉、またいかにして最高の地位につけられ、国家の統治をゆだねられたかを彼らに誇示した。 12[12] 更に、ハマンは言った。「王妃は王を酒宴にお招きになったが、王様のお供として招かれたのはこのわたしだけだ。明日も招かれている。 13[13] だがそれでも、ユダヤ人のモルデカイが王宮にいるのを見れば不愉快になるのだ。」
14[14] 妻のゾサラは、ハマンの友人たちと口をそろえて言った。「五十アンマの高さの木を切り出して、モルデカイをそれにかけるよう、王様に明日の朝、進言してはいかがですか。そうすれば、あなたは王様と一緒に楽しく酒宴にあずかれます。」ハマンはこの言葉が気に入り、木の準備をさせた。
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