マタイ筆・福音書 9

9
屋根をつきぬける友の信仰
(マルコ 2:1-12; ルカ 5:17-26)
1イエスは小舟に乗り込み、みずうみをこえて地元カペナウム町へ戻った。
2――「はぁはぁ・・・あ、あそこだッ!」
「もうすぐでよくなれっぞッ!」
青年たちがからだの麻痺まひした男を担いできた。
彼らの確信の強さを見て、笑みを浮かべたイエスは体の麻痺まひした男を見た。
「よかったな青年、きみの過ちはゆるされた!!!」
3「!」
(んな、今こいつ・・・罪は神にしか赦せないと言うのに何様だ?神様への冒涜だ!!!)
掟の学者たちの眉間にはしわが寄っていた。
4彼らの考えを察したイエス――
「なぜそう悪くとらえる? 5言うのは簡単だと思ったか?赦されたかどうかなど、分かりっこないと。それならこの男に立って歩けと命じたらどうだ? 6その通りになれば、俺、つまり“この人”が、この世で過ちを赦す権利があると認めざるを得ない・・・!!!」
「立ち上がれ!布団ふとんをたたんだら、自分の足で帰るんだ!」
7その瞬間、麻痺まひした男は群衆の前で立ち上がり、ふとんをたたんで帰った。
8・・・・・・ウ、ウォォォ・・・!バ、バンザーイ!バンザーイ!!バンザーイ!!!
これには見ていた人も大驚き、こんなにすごい力を人に与えた神を讃えたのだった。
ゴロツキとつく食卓
(マルコ 2:13-17; ルカ 5:27-32)
9イエスが歩いていると、税務署の前に座っているマタイがいた―― 【別名レビ】
「俺についてこい!」
税金取りのマタイはすぐに腰をあげ、イエスについて行った。
10その晩――
イエスはマタイの家で食事をしていた。イエスの一味以外にも多くの税金取りや悪評高い人たちが食卓についていた。
11イエスがそんな人たちと食事をしたという噂が広まり、パリサイ一派がやって来た――
「きみ、なぜ彼はゴロツキたちと同じ釜の飯を食べるのですか?」
12イエスの仲間に尋ねた声はイエスまで届いた。
「いいか、医者は健康な人ではなく、病人のためにいる。
13この聖書箇所を勉強してこい。
『私がほしいのは供え物ではなく、人への親切心』―― 【聖書:ホセア書6:6より引用】
“俺は正しい”と主張する人間ではなく、『不完全さを認める人間』を仲間に加えるために来た・・・!!!」
イエスが直々じきじきにパリサイ一派の苦情に対応した。
まじわらない古きとあらた
(マルコ 2:18-22; ルカ 5:33-39)
14すると、洗礼者バプテスマヨハネの仲間たちがイエスのもとにやって来た。
「我々とパリサイ一派はよく断食だんじきしますが、なぜあなたの弟子は私たち同様断食だんじきをしないのですか?」
15花婿はなむこを祝う結婚式に招待された客が、こんなめでたい時に断食だんじきするか?だが、式も終われば花婿はなむこは友人の元を離れる。その時になれば彼らも涙を流して断食だんじきする。
16古い上着にあいた穴をふさぐ為に新品の上着を切ってふさぐ人はいない。そんなことをしたら、新品の上着が台無しだ。そもそも新しいぬのと古いぬのの相性は最悪だ。
17また、新しいワインを古い革袋に入れる人なんていない。
んな事したら、発酵はっこう時に発生する圧力に負けて袋が破裂してしまう。もったいない。ワインはこぼれ、革袋は台無しだ。
ワインの品質をたもち、破れないように新しいワインは新しい革袋に入れる。こりゃあ常識だ!」
長血の女
(マルコ 5:21-43; ルカ 8:40-56)
18す、すみません!!!
まだイエスが話し終わらないうちにイエスの足元に土下座したのはユダヤ集会所シナゴグ会堂長。
「私の娘が先ほど死んじまいまじだ・・・先生が触れてくれるなら彼女は生き返ります!!!」
19イエスとその一味は、ユダヤ集会所シナゴグ会堂長の家に向かった。
20道中――
そこには生理がとまらず、出血し続ける病気でかれこれ12年間苦しんでいた女がいた・・・
(えーぃっ!)女はこっそりとイエスの背後にまわり、やっとの思いで、イエスの着ている服のすそにかすかに触れた。 21イエスの服に触れることさえできれば、病は治る!との思いからだった。
22女が触れると、イエスは振り返り、女をまっすぐ見た。
「やったなー!きみが治ると信じたから治ったぞ!」
(え・・・・・・!!!)女の病気は完治していた。
23――娘のもとへ足を進め、ユダヤ集会所シナゴグ会堂長の家に入った。そこでイエスが目にしたのは葬儀そうぎの音楽をかなでる音楽家や大声で泣きわめく人たち。
24「帰れ!!!少女は眠っているが、死んじゃいない」
―― 【イエスの強い口調からも大声で泣きわめいていたのは、偽客さくらだろう。悲しんでいる人が多ければ多いほど、亡くなった人間が偉いと思われた。そのため、亡くなった人の株をあげるために葬儀用の偽客さくらを雇うことがしばしばあったのだ】
イエスの発言に彼らは笑いだした。
25彼らを家から追い出した後、イエスは少女が寝ている部屋に入った。彼女の手をとると、彼女がなんなく立ち上がったではないか! 26この事件は、またたくまにこの地方一帯に広まった。
キセキ3連ちゃん!
27イエスがその場を後にすると――
「ダビデ王の子よ、憐れみを!!!」
2人の盲人が後をついてきたかと思うと、突然大声で叫んだ。
28イエスが泊まっているところに入ると、2人も後に続いた。
「俺におまえたちの目が開けると思うか?」
「もちろんですとも先生!!!」
29彼らの目に触れたイエス。
「おまえたちが信じたから目は開く」
30――ピカッ――
(う゛・・・うわあああ)2人の目に突然景色が飛び込んだ!目が開いたのだ。
「どうやって起きたかは、絶対に言うな!」
イエスは強く忠告した。
31――その場を去ったあと、興奮を抑えられなかった彼らは、イエスがしてくれた事を地域一帯に言いふらした。
32その2人の去り際に戻ろう――
すれ違うように連れてこられたのは、悪魔のせいで話せなくなった男。
33イエスは悪魔を叩き出すと、男がペラペラと話し始めたではないか!
驚愕きょうがくした人たちは言った。
「こんなのイスラエルの歴史上見たことない」
34これを聞いたパリサイ一派は――
「彼はきっと悪魔王サタンから力をもらっているに違いありません。手下の悪魔が言うことを聞くとすれば納得がいくではないですか」
働き手求ム!!!
35町々、村々をくまなく回り、そのユダヤ集会所シナゴグ神の王国キングダムが来たと最高な知らせゴスペルを広めた。
そして、ありとあらゆる病人を治した。
36このように、自分のところにやって来る群衆を見ていると、イエスの心は、深く痛んだ。彼らは、抱えている問題は深刻なのに、どうしたらよいか、どこへ助けを求めたらよいか、まるでわかっていないからだ。まるで、羊飼いのいない羊のように。
37「たくさんの実がじゅくしているのに、収穫する働き手があまりにも足りない。 38収穫の所有者である神に、もっと働き手を送るように頼むんだ!」―― 【救いを求めている者はごまんといるが、それと比べて彼らを救いに導く者があまりに少ないと言ったのだ】

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