ヨハネ筆・福音書 9
9
生まれつきの盲人が開眼!
1さて、道を歩いていた時のこと、イエスは生まれつきの盲人が目についた。
2イエスのお供が尋ねた――
「先生、どうしてこの人は、生まれつき目が見えないんだ?
本人が罪を犯したからか?それとも両親が・・・?」
3「どっちでもない。生まれつき盲目なのは、神のすばらしさを証明し、神に称賛を集めるためだ。
4俺を遣わした方に与えられた仕事を、俺たちは“日中”の間に全うしなければならない。“夜”は迫ってきている。そして、“夜”に仕事ができるものはいない。
5この世に俺がいる限り、希望の光は俺だ・・・!!!」
6ペッ
イエスは地面にツバを吐き、泥をこねると、盲人の目に塗った。
7「さあ、シロアムの池に行って、洗い落とすんだ」―― 【シロアムとは“送られた”という意味があった】
盲人は言われたとおりにすると、見えるようになって戻って来たではないか!
8「お、おい!あいつ、いつも座って物乞いしてる盲人か?!」
知人や、近所の人たちはたまげて互いに言った。
9こちらで「そうだ」と言えば、あちらで「いや、違う」と聞こえる。
「あいつのはずはない。だがよく似てるな!」
と誰もが思った。すると当のこじきは――
「なに言ってんだい。おいらだよ!!!」
10人々はあっけにとられた・・・
「いったい全体どうしたんだい!!どうやって見えるようになったんだよ」
誰もがこう矢つぎばやに尋ねた。
11「イエスという方が、泥をこねて、おいらの目に塗ったのさ。
シロアムの池に行って、泥を洗い落としなさいと言われたんで、そのとおりにすると、見えるようになったんだよ!!!」
12「その人は今どこにいるんだい!!!」
「さあ」
質問攻め!元盲人とパリサイ派
13彼らは、その元盲人をパリサイ一派のところへ連れて行った。
14ところで、この日は、たまたま休日だった――
15「どれどれ、どうやって見えるようになったのですか?」
「“あの方”がおいらの目に泥を塗り、洗うと見えるようになりやした」
16これを聞いたパリサイ派のある者は――
「あの人は神に属しませんね。休日の掟を守らないのですから!」
ときめつけ、ある者は――
「おことばですが、罪人にすぎない人間にこんなキセキを行うことはでません」
と意見は真っ二つに分かれた。
17しかたなく、その盲目だった男に投げかけた――
「では、目を治された本人に聞きましょう。あなたは彼をどうお思いで?」
「彼は神に遣われし預言者ですよ」
18ユダヤ指導者たちは、未だにこの男が盲目だったことを、どうしても信じられなかったので、とうとう両親まで呼び出した――
19「この男はあなたの息子なんですね?本当に生まれつき見えなかったのでしたら、どうやって見えるようになったのでしょうか?」
20「は、は、はい!この子は私たちの息子で、生まれつき目が見えません・・・ 21ですが、どうして見えるようになったのか、
どなたがこの子の目を治したかは、少しも存じません。
ど、どうぞ本人から直接お聞きくださいまし。
自分で答えられる年齢なんですから・・・」
22こう両親が答えたのはユダヤ指導者を恐れてだった――
“イエスが救世主だ”と言う者は、だれかれ区別なくユダヤ集会所から除名されると公表されていたからである。
23だから、両親は「大人なのだから本人に聞いて」と答えたのだ。
24ユダヤ指導者たちは、男をもう一度呼びだした――
「いいですか・・・神様のためにも真実を語りなさい!
あやつが悪党だということは調べがついているのですから」
25「さあ、あの方が悪人かどうかはわかりませんがね。
これだけは、知ってやす。
見えなかったおいらが『今は見える』!!!」
26「ならあやつは何をした?どうやってあなたの目を治したのですか?」
27「さっき答えたじゃないですか!お聞きにならなかったのですか。もう一度聞きたいとは、どういうことでしょう。あの方の弟子にでもなるおつもりで?」
28「なに゛!!!きさまこそがあいつの弟子のくせに。われわれはモーセの弟子!!! 29神様はまちがいなく、モーセにお語りになったが、あやつはどこの馬の骨かわかるものですか!!!」
30「これは驚きました・・・おいらの目を治したのに、あの方がどこから来たか分からないとおっしゃる。 31神様は罪人に耳を貸さず、その心に従う者だけに耳を傾けることぐらい誰でも知っていることじゃありませんか!
32世の初めからこのかた、生まれつきの盲人の目を開けた人など、聞いたこともありやせん。
33神様から遣わされた方でなければ、こんなことは絶対にできません!!!」
34「このろくでなしめっ!我々を教えようとでもいうのかっ!」
ユダヤ指導者はどなりつけたあげく、ユダヤ集会所から男を追い出し、彼の出入りを禁止したのだった。
開かれる視覚と閉ざされる視覚
35元盲人の男が集会所から追い出されたと聞いたイエスは、彼を探し当てた――
「あなたは“この人”を信じるか?」
36「信じたいッ!!!ですから、それがどなたなのか教えてください!」
37「もう会ったじゃあないか!あなたと話しているのが“この人”だ」
38「師匠!信じます!!!」
男は頭を下げてイエスを讃えた!
39「俺はこの世を審査しに来た!
俺は心が盲目になっている人の目を開き、見えると思い込んでいる人を盲目にしに来たのだ!!!」
40「今なんと?私たちが盲目だとでも言いたいのですか?」
近くにいたパリサイ派の人の耳にはいったのだ。
41「もしあなたがたが本当に盲目だったら、罪に問われないで済んだでしょうに。
だが、あくまで何もかもわかっていると言いはる間は、有罪だ・・・!!!」
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