創世記 3
3
罪の始まり
1蛇は神が造ったどの生き物よりも頭がキレ、ずる賢かった。蛇は女に尋ねた。
「神は本当に、ほんと~にエデンの園に植えられたどの木からも果実を食べてはいけないと言ったのかい?」
2女はそれに答えた。
「いえ!神はこう言ったはずよ!・・・『エデンの園に植えられた全ての果実を食べても良い。 3しかし、1つの木からはダメだ!』と・・・そして、こう言ったの・・・『お前は園の中央にあるその木の実を食べてはいけない!そして、その木に触れることすらしてはいけない!さもないとお前は必ず死ぬ』って・・・」
4すると蛇はこう言い返した。
「ハッハハハハー!死ぬだって?そんなワケないっしょ!死ぬなんて、ハッハハハハ!絶対にない! 5神は知ってるんだ!お前がその木の実を食べるとどうなるかってことを・・・今まで理解できなかったものが理解できるような視野が開けてしまう!良いものと悪いものを区別できるようになり、神のようになってしまうってことだ!」
6会話が終わると、さっき話していた何とも美味しそうなその木の実が、女の目に飛び込んできた。その実は熟し、よだれが出るほど見事なフルーツだった。しかも、もっと賢くなれるなら、なおさらのこと食べたい!と、女は思った。そして、彼女はその果実をもぎ採り・・・食べたのだ・・・その時、夫も女のそばにいたのでそのフルーツを彼に渡すと、夫もまたそれをかじって食べた。
7その瞬間!・・・キラン✨
彼らの目が開かれた!目が開かれたとたん、2人とも今まで見えなかったお互いの違いに気づき、裸であることが分かった。すると恥を覚え、近くにあったイチジクの葉を編み合わせ、腰に巻き付けた。
8その日はどこからともなく風が吹き、彼らはエデンの園で神が動いている音を聞いた。その男とその妻は神が近づいてくるのが分かると、とっさに木の茂みに身を隠した!すると、 9神は男を呼んでこう言った。
「おーい!どこへ行ったんだ?」
10 男は答えてこう言った。
「聞こえてま~す!で、で、でも、ちょちょ、ちょ、ちょっと待ってください!こ、こ、怖くて、何も着てないんです!私たち!裸なんですょ!だ、だから今ここに隠れてます!」
11すると、神は男にこう言った。
「どっからそんな知識を得たんだ!!!裸であるってことを誰が伝えた?食べたな?わたしがあれだけ食べるな!と言っておいたものを!」
12 男は、
「お、お、おんなが、女が渡してきたんですよ!あなたが造ったこの女が!だから俺はその実をただ渡されて、食べてみろって言うから、食っただけなんです!」
13すると、神は、女に言った。
「何をしてくれたんだ!」
「へ、へ、蛇!蛇が私を騙して、私はその実を食べただけ!」と女は答えた。
14次に、神は蛇に言った。
「お前がしたことがどういうことか分かるか?その罰だ!
お前を呪う!
おとなしい動物も、血の気が多い動物も、
全ての動物の中で、お前だけが呪われる!
お前はこれからずっと腹ばいで歩き、
死ぬまでずっと土を食べて生きるのだ!
15お前と女を敵対させ、
お前の子孫も、女の子孫も、ずっと敵対し合うのだ!
女の子孫はお前の頭を踏みつけて、
お前も彼のかかとに噛みつくだろう!」
16続けて神は女にこう言った。
「お前は子を妊娠しても、
懸命に働き続ける。
痛みに耐えながら、苦しみぬいて子を産むのだ!
毎日の子育ては、目が回るくらい忙しく、
夫を支配したいと思っても、
逆に、夫の指示を受けるだろう!」
17最後に神は男にこう言った。
「言ったはずだ!あの木から実を食べるなと!
だが、お前は女の話を聞き、それを食べたのだ!
だから、わたしはこの地を呪う。呪われた地から作物を得るといい。
お前はコツコツと働きつづけ、一息つく間もなくまた働く!
一生そんな感じで働き続けるのだ!
18土からはトゲのある植物や頑固な雑草が育つので、
畑を作って、自分たちで努力して育てなければ食糧にありつけない!
19生きるために、食糧を得るために、汗水たらして、
一生懸命働かなければならない!
死ぬ日が来るまでそれをして、
息絶える日が来たら、わたしが造ったこの土に帰っていくだけだ!
わたしはお前を土から造った。
再び土となり、戻っていくのだ!」
20アダムは自分の妻をエバと名付けた。【ヘブル語でエバとは「いのち」の意味】それは、彼女がこれから誕生する全ての人の母となるからだ。
21 神は、アダムとエバのために動物の毛皮を作り、それを着せた。
22それから 神は、こう言った。
「よく聞きなさい!人間はわたしたちのようになった。今、人間は善悪の判断を自分で行える。だからもうこれ以上、人間にいのちの木の果実を与えることはしない!永遠に生きる必要がないからだ!」
23そして、 神は男をエデンの園から追放し、その男を形づくった土を自らの力で耕す仕事をさせた。 24神はいのちの木に厳重な警備をしくために、園の入り口に羽の生えた生き物と炎の剣を置いた。
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