マタイによる福音書 26:51-75
マタイによる福音書 26:51-75 Japanese: 聖書 口語訳 (口語訳)
すると、イエスと一緒にいた者のひとりが、手を伸ばして剣を抜き、そして大祭司の僕に切りかかって、その片耳を切り落した。 そこで、イエスは彼に言われた、「あなたの剣をもとの所におさめなさい。剣をとる者はみな、剣で滅びる。 それとも、わたしが父に願って、天の使たちを十二軍団以上も、今つかわしていただくことができないと、あなたは思うのか。 しかし、それでは、こうならねばならないと書いてある聖書の言葉は、どうして成就されようか」。 そのとき、イエスは群衆に言われた、「あなたがたは強盗にむかうように、剣や棒を持ってわたしを捕えにきたのか。わたしは毎日、宮ですわって教えていたのに、わたしをつかまえはしなかった。 しかし、すべてこうなったのは、預言者たちの書いたことが、成就するためである」。そのとき、弟子たちは皆イエスを見捨てて逃げ去った。 さて、イエスをつかまえた人たちは、大祭司カヤパのところにイエスを連れて行った。そこには律法学者、長老たちが集まっていた。 ペテロは遠くからイエスについて、大祭司の中庭まで行き、そのなりゆきを見とどけるために、中にはいって下役どもと一緒にすわっていた。 さて、祭司長たちと全議会とは、イエスを死刑にするため、イエスに不利な偽証を求めようとしていた。 そこで多くの偽証者が出てきたが、証拠があがらなかった。しかし、最後にふたりの者が出てきて、 言った、「この人は、わたしは神の宮を打ちこわし、三日の後に建てることができる、と言いました」。 すると、大祭司が立ち上がってイエスに言った、「何も答えないのか。これらの人々があなたに対して不利な証言を申し立てているが、どうなのか」。 しかし、イエスは黙っておられた。そこで大祭司は言った、「あなたは神の子キリストなのかどうか、生ける神に誓ってわれわれに答えよ」。 イエスは彼に言われた、「あなたの言うとおりである。しかし、わたしは言っておく。あなたがたは、間もなく、人の子が力ある者の右に座し、天の雲に乗って来るのを見るであろう」。 すると、大祭司はその衣を引き裂いて言った、「彼は神を汚した。どうしてこれ以上、証人の必要があろう。あなたがたは今このけがし言を聞いた。 あなたがたの意見はどうか」。すると、彼らは答えて言った、「彼は死に当るものだ」。 それから、彼らはイエスの顔につばきをかけて、こぶしで打ち、またある人は手のひらでたたいて言った、 「キリストよ、言いあててみよ、打ったのはだれか」。 ペテロは外で中庭にすわっていた。するとひとりの女中が彼のところにきて、「あなたもあのガリラヤ人イエスと一緒だった」と言った。 するとペテロは、みんなの前でそれを打ち消して言った、「あなたが何を言っているのか、わからない」。 そう言って入口の方に出て行くと、ほかの女中が彼を見て、そこにいる人々にむかって、「この人はナザレ人イエスと一緒だった」と言った。 そこで彼は再びそれを打ち消して、「そんな人は知らない」と誓って言った。 しばらくして、そこに立っていた人々が近寄ってきて、ペテロに言った、「確かにあなたも彼らの仲間だ。言葉づかいであなたのことがわかる」。 彼は「その人のことは何も知らない」と言って、激しく誓いはじめた。するとすぐ鶏が鳴いた。 ペテロは「鶏が鳴く前に、三度わたしを知らないと言うであろう」と言われたイエスの言葉を思い出し、外に出て激しく泣いた。
マタイによる福音書 26:51-75 Colloquial Japanese (1955) (JA1955)
すると、イエスと一緒にいた者のひとりが、手を伸ばして剣を抜き、そして大祭司の僕に切りかかって、その片耳を切り落した。 そこで、イエスは彼に言われた、「あなたの剣をもとの所におさめなさい。剣をとる者はみな、剣で滅びる。 それとも、わたしが父に願って、天の使たちを十二軍団以上も、今つかわしていただくことができないと、あなたは思うのか。 しかし、それでは、こうならねばならないと書いてある聖書の言葉は、どうして成就されようか」。 そのとき、イエスは群衆に言われた、「あなたがたは強盗にむかうように、剣や棒を持ってわたしを捕えにきたのか。わたしは毎日、宮ですわって教えていたのに、わたしをつかまえはしなかった。 しかし、すべてこうなったのは、預言者たちの書いたことが、成就するためである」。そのとき、弟子たちは皆イエスを見捨てて逃げ去った。 さて、イエスをつかまえた人たちは、大祭司カヤパのところにイエスを連れて行った。そこには律法学者、長老たちが集まっていた。 ペテロは遠くからイエスについて、大祭司の中庭まで行き、そのなりゆきを見とどけるために、中にはいって下役どもと一緒にすわっていた。 さて、祭司長たちと全議会とは、イエスを死刑にするため、イエスに不利な偽証を求めようとしていた。 そこで多くの偽証者が出てきたが、証拠があがらなかった。しかし、最後にふたりの者が出てきて 言った、「この人は、わたしは神の宮を打ちこわし、三日の後に建てることができる、と言いました」。 すると、大祭司が立ち上がってイエスに言った、「何も答えないのか。これらの人々があなたに対して不利な証言を申し立てているが、どうなのか」。 しかし、イエスは黙っておられた。そこで大祭司は言った、「あなたは神の子キリストなのかどうか、生ける神に誓ってわれわれに答えよ」。 イエスは彼に言われた、「あなたの言うとおりである。しかし、わたしは言っておく。あなたがたは、間もなく、人の子が力ある者の右に座し、天の雲に乗って来るのを見るであろう」。 すると、大祭司はその衣を引き裂いて言った、「彼は神を汚した。どうしてこれ以上、証人の必要があろう。あなたがたは今このけがし言を聞いた。 あなたがたの意見はどうか」。すると、彼らは答えて言った、「彼は死に当るものだ」。 それから、彼らはイエスの顔につばきをかけて、こぶしで打ち、またある人は手のひらでたたいて言った、 「キリストよ、言いあててみよ、打ったのはだれか」。 ペテロは外で中庭にすわっていた。するとひとりの女中が彼のところにきて、「あなたもあのガリラヤ人イエスと一緒だった」と言った。 するとペテロは、みんなの前でそれを打ち消して言った、「あなたが何を言っているのか、わからない」。 そう言って入口の方に出て行くと、ほかの女中が彼を見て、そこにいる人々にむかって、「この人はナザレ人イエスと一緒だった」と言った。 そこで彼は再びそれを打ち消して、「そんな人は知らない」と誓って言った。 しばらくして、そこに立っていた人々が近寄ってきて、ペテロに言った、「確かにあなたも彼らの仲間だ。言葉づかいであなたのことがわかる」。 彼は「その人のことは何も知らない」と言って、激しく誓いはじめた。するとすぐ鶏が鳴いた。 ペテロは「鶏が鳴く前に、三度わたしを知らないと言うであろう」と言われたイエスの言葉を思い出し、外に出て激しく泣いた。
マタイによる福音書 26:51-75 リビングバイブル (JCB)
その時、イエスといっしょにいた一人が、さっと剣を抜き放つと、大祭司の部下の耳を切り落としました。 ところが、イエスは彼を制して言われました。「剣をさやに納めなさい。剣を使う者は、自分もまた剣で殺されるのです。 わからないのですか。わたしが願いさえすれば、父が何万という天使を送って、わたしを守ってくださるのです。 しかし、もし今そんなことをしたら、こうなると書いてある聖書のことばが実現しないではありませんか。」 そして今度は、群衆に向かって言われました。「剣やこん棒で、これほどものものしく武装しなければならないほど、わたしは凶悪犯なのでしょうか。わたしが毎日神殿で教えていた時には、何の手出しもしなかったではありませんか。 いいですか、こうなったのはすべて、預言者たちのことばが実現するためです。」 この時、弟子たちはみな、イエスを見捨てて逃げ去りました。 暴徒たちは、イエスを大祭司カヤパの家に引っ立てました。ちょうど、ユダヤ人の指導者たちが一堂に集まり、今や遅しと待ちかまえているところでした。 一方、ペテロは遠くからあとをつけて行き、大祭司の家の中庭にもぐり込みました。そして兵士たちにまじって、イエスがどんなことになるのか見届けようとしました。 そこには、祭司長たちやユダヤの最高議会の全議員が集まり、なんとかイエスを死刑にしようと、偽証する者を捜していました。 ところが、偽証する者は多かったのですが、その証言がみな食い違っているのです。そうこうするうちに、ようやく、格好の証人が現れました。二人の男が進み出て、 「この男は、『神殿を打ちこわして、三日の間に建て直すことができる』と言っていました」と証言したのです。 大祭司はここぞとばかりに立ち上がり、イエスに問いただしました。「さあ、黙っていないで答えたらどうだ。ほんとうにそんなことを言ったのか。それとも言わなかったのか。」 それでもなお、イエスは黙っていました。大祭司は続けました。「生ける神の御名によって命じる。あなたは神の子キリストなのかどうか。さあ、はっきり答えてみなさい。」 イエスはお答えになりました。「あなたの言ったとおりです。あなたがたは、やがてメシヤ(救い主)のわたしが、神の右の座につき、雲に乗って来るのを見るでしょう。」 これを聞いた大祭司は、即座に着物を引き裂き、大声で叫びました。「冒瀆だ! 神を汚すことばだ! これだけ聞けば十分だ。さあ、みんなも聞いたとおりだ。 この男をどうしよう。」 一同はいっせいに叫びました。「死刑だ、死刑にしろ!」 そうして、イエスの顔につばをかけたり、なぐったりしました。またある者は、イエスを平手で打ち、 「おい、キリストなんだろ。当ててみろ。今おまえを打ったのはだれだ」とからかいました。 一方、ペテロは中庭に座っていましたが、一人の女中がやって来て、「あら、あなたイエスといっしょにいた人じゃないの。二人ともガリラヤの人でしょう」と話しかけました。 ところがペテロは、「人違いだ。変な言いがかりはよしてくれ」と大声で否定しました。 まずいことになったと、ペテロが急いで出口のほうへ行きかけると、また別の女中に見つかりました。女中は回りの人たちに、「この人もナザレから来たイエスという人といっしょだったわ」と言いました。 ペテロはあわててそれを打ち消し、その上、「断じて、そんな男は知らない」と誓いました。 ところが、しばらくすると、近くにいた人たちが彼のところへ来て、口々に言い始めました。「いや、おまえは確かにあの男の弟子の一人だ。隠してもむだだ。そのガリラヤなまりが何よりの証拠だ。」 たじたじとなったペテロは、「そんな男のことなど、絶対に知らない。これがうそなら、どんな罰が下ってもかまわない」と言いだしました。するとすぐに、鶏の鳴く声が聞こえました。 その瞬間、ペテロは、はっとわれに返りました。「鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うでしょう」と言われたイエスのことばを思い出したからです。ペテロは外へ駆け出して行くと、胸も張り裂けんばかりに激しく泣きました。
マタイによる福音書 26:51-75 Seisho Shinkyoudoyaku 聖書 新共同訳 (新共同訳)
そのとき、イエスと一緒にいた者の一人が、手を伸ばして剣を抜き、大祭司の手下に打ちかかって、片方の耳を切り落とした。 そこで、イエスは言われた。「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる。 わたしが父にお願いできないとでも思うのか。お願いすれば、父は十二軍団以上の天使を今すぐ送ってくださるであろう。 しかしそれでは、必ずこうなると書かれている聖書の言葉がどうして実現されよう。」 またそのとき、群衆に言われた。「まるで強盗にでも向かうように、剣や棒を持って捕らえに来たのか。わたしは毎日、神殿の境内に座って教えていたのに、あなたたちはわたしを捕らえなかった。 このすべてのことが起こったのは、預言者たちの書いたことが実現するためである。」このとき、弟子たちは皆、イエスを見捨てて逃げてしまった。 人々はイエスを捕らえると、大祭司カイアファのところへ連れて行った。そこには、律法学者たちや長老たちが集まっていた。 ペトロは遠く離れてイエスに従い、大祭司の屋敷の中庭まで行き、事の成り行きを見ようと、中に入って、下役たちと一緒に座っていた。 さて、祭司長たちと最高法院の全員は、死刑にしようとしてイエスにとって不利な偽証を求めた。 偽証人は何人も現れたが、証拠は得られなかった。最後に二人の者が来て、 「この男は、『神の神殿を打ち倒し、三日あれば建てることができる』と言いました」と告げた。 そこで、大祭司は立ち上がり、イエスに言った。「何も答えないのか、この者たちがお前に不利な証言をしているが、どうなのか。」 イエスは黙り続けておられた。大祭司は言った。「生ける神に誓って我々に答えよ。お前は神の子、メシアなのか。」 イエスは言われた。「それは、あなたが言ったことです。しかし、わたしは言っておく。 あなたたちはやがて、 人の子が全能の神の右に座り、 天の雲に乗って来るのを見る。」 そこで、大祭司は服を引き裂きながら言った。「神を冒瀆した。これでもまだ証人が必要だろうか。諸君は今、冒瀆の言葉を聞いた。 どう思うか。」人々は、「死刑にすべきだ」と答えた。 そして、イエスの顔に唾を吐きかけ、こぶしで殴り、ある者は平手で打ちながら、 「メシア、お前を殴ったのはだれか。言い当ててみろ」と言った。 ペトロは外にいて中庭に座っていた。そこへ一人の女中が近寄って来て、「あなたもガリラヤのイエスと一緒にいた」と言った。 ペトロは皆の前でそれを打ち消して、「何のことを言っているのか、わたしには分からない」と言った。 ペトロが門の方に行くと、ほかの女中が彼に目を留め、居合わせた人々に、「この人はナザレのイエスと一緒にいました」と言った。 そこで、ペトロは再び、「そんな人は知らない」と誓って打ち消した。 しばらくして、そこにいた人々が近寄って来てペトロに言った。「確かに、お前もあの連中の仲間だ。言葉遣いでそれが分かる。」 そのとき、ペトロは呪いの言葉さえ口にしながら、「そんな人は知らない」と誓い始めた。するとすぐ、鶏が鳴いた。 ペトロは、「鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」と言われたイエスの言葉を思い出した。そして外に出て、激しく泣いた。