創世記 43:1-18
創世記 43:1-18 Colloquial Japanese (1955) (JA1955)
ききんはその地に激しかった。 彼らがエジプトから携えてきた穀物を食い尽した時、父は彼らに言った、「また行って、われわれのために少しの食糧を買ってきなさい」。 ユダは父に答えて言った、「あの人はわれわれをきびしく戒めて、弟が一緒でなければ、わたしの顔を見てはならないと言いました。 もしあなたが弟をわれわれと一緒にやってくださるなら、われわれは下って行って、あなたのために食糧を買ってきましょう。 しかし、もし彼をやられないなら、われわれは下って行きません。あの人がわれわれに、弟が一緒でなければわたしの顔を見てはならないと言ったのですから」。 イスラエルは言った、「なぜ、もうひとりの弟があるとあの人に言って、わたしを苦しめるのか」。 彼らは言った、「あの人がわれわれと一族とのことを問いただして、父はまだ生きているか、もうひとりの弟があるかと言ったので、問われるままに答えましたが、その人が、弟を連れてこいと言おうとは、どうして知ることができたでしょう」。 ユダは父イスラエルに言った、「あの子をわたしと一緒にやってくだされば、われわれは立って行きましょう。そしてわれわれもあなたも、われわれの子供らも生きながらえ、死を免れましょう。 わたしが彼の身を請け合います。わたしの手から彼を求めなさい。もしわたしが彼をあなたのもとに連れ帰って、あなたの前に置かなかったら、わたしはあなたに対して永久に罪を負いましょう。 もしわれわれがこんなにためらわなかったら、今ごろは二度も行ってきたでしょう」。 父イスラエルは彼らに言った、「それではこうしなさい。この国の名産を器に入れ、携え下ってその人に贈り物にしなさい。すなわち少しの乳香、少しの蜜、香料、もつやく、ふすだしう、あめんどう。 そしてその上に、倍額の銀を手に持って行きなさい。また袋の口に返してあった銀は持って行って返しなさい。たぶんそれは誤りであったのでしょう。 弟も連れ、立って、またその人の所へ行きなさい。 どうか全能の神がその人の前であなたがたをあわれみ、もうひとりの兄弟とベニヤミンとを、返させてくださるように。もしわたしが子を失わなければならないのなら、失ってもよい」。 そこでその人々は贈り物を取り、また倍額の銀を携え、ベニヤミンを連れ、立ってエジプトへ下り、ヨセフの前に立った。 ヨセフはベニヤミンが彼らと共にいるのを見て、家づかさに言った、「この人々を家に連れて行き、獣をほふって、したくするように。この人々は昼、わたしと一緒に食事をします」。 その人はヨセフの言ったようにして、この人々をヨセフの家へ連れて行った。 ところがこの人々はヨセフの家へ連れて行かれたので恐れて言った、「初めの時に袋に返してあったあの銀のゆえに、われわれを引き入れたのです。そしてわれわれを襲い、攻め、捕えて奴隷とし、われわれのろばをも奪うのです」。
創世記 43:1-18 リビングバイブル (JCB)
この地のききんはひどくなる一方でした。カナン地方を覆い尽くし、少しも衰えを見せません。 エジプトから買って来た穀物も底をつきました。「ご苦労だが、また買いに行ってもらわなければならないな。」父親は息子たちに言いました。 しかし、ユダが口をはさみました。「忘れたのですか、お父さん。『弟といっしょでなければ来てはならない』とあの人が言ったのは、決してただの脅しではないのですよ。ベニヤミンがいっしょでなければ、あそこへは行けません。」 「ああ、なぜおまえたちは、弟がもう一人いるなどと言ってしまったのだ。私をこんな目に会わせおって。」 「あの人が家族のことをしつこく聞くので、しかたがなかったのです。お父さんが元気かどうか知りたがっていたし、ほかに弟はいないのかと尋ねるものだから、『いる』と答えたのです。『その弟を連れて来るように』などと言われようとは、夢にも思わなかったのです。」みな口々に弁解しました。 その時ユダが言いました。「ベニヤミンを連れて行かせてください。お願いします。今すぐに出かけなければ、家族みんなが飢え死にします。私たちばかりか、お父さんや子どもたちまで……。 弟の安全は私が保証します。万一のことがあったら責任を負います。 初めからお願いしたとおりにしてくだされば、その間に二回は穀物を持ってエジプトから帰っているはずですよ。」 とうとうイスラエルも承諾しました。「どうしても連れて行くのなら、せめてこうしてくれ。ろばにこの国の最良の産物を積むのだ。その総理大臣とやらへの贈り物にな。香油、はちみつ、香料、没薬、くるみ、アーモンドなどを持って行くといい。 代金の二倍の銀を持って行きなさい。この前、袋の口にあった銀も持って行って返すのだ。あれはきっと、何かの間違いだったのだろう。 さあ、弟を連れて行きなさい。 その人の前に立つ時、全能の神様が守ってくださり、シメオンが自由にされ、ベニヤミンも無事に帰れるように。もし、この二人が死ぬことにでもなったら……それもしかたあるまい。ただじっと耐えるだけだ。」 彼らは、贈り物と二倍の代金を持ってエジプトのヨセフのもとへ出かけました。 今度はベニヤミンもいっしょです。ヨセフはそれを見るとすぐ、家の執事に命じました。「この人たちは昼食を私といっしょにする。家へお連れして、盛大な宴会の用意をしなさい。」 執事は言われたとおり、一同をヨセフの屋敷へ案内しました。 びっくりしたのは兄弟たちです。まさか、ヨセフの屋敷へ連れて行かれようとは思ってもみなかったので、どうなることかと心配でなりません。思い当たることを、お互いにひそひそ話し合うばかりです。「これはきっと、袋に返してあったあの銀のせいだぞ。あの銀を盗んだとでも言うつもりだろう。言いがかりをつけてわれわれを捕まえ、奴隷にしようっていうのだろう。ろばから何から、全部取り上げる魂胆だな。」
創世記 43:1-18 Seisho Shinkyoudoyaku 聖書 新共同訳 (新共同訳)
この地方の飢饉はひどくなる一方であった。 エジプトから持ち帰った穀物を食べ尽くすと、父は息子たちに言った。 「もう一度行って、我々の食糧を少し買って来なさい。」 しかし、ユダは答えた。 「あの人は、『弟が一緒でないかぎり、わたしの顔を見ることは許さぬ』と、厳しく我々に言い渡したのです。 もし弟を一緒に行かせてくださるなら、我々は下って行って、あなたのために食糧を買って参ります。 しかし、一緒に行かせてくださらないのなら、行くわけにはいきません。『弟が一緒でないかぎり、わたしの顔を見ることは許さぬ』と、あの人が我々に言ったのですから。」 「なぜお前たちは、その人にもう一人弟がいるなどと言って、わたしを苦しめるようなことをしたのか」とイスラエルが言うと、 彼らは答えた。 「あの人が、我々のことや家族のことについて、『お前たちの父親は、まだ生きているのか』とか、『お前たちには、まだほかに弟がいるのか』などと、しきりに尋ねるものですから、尋ねられるままに答えただけです。まさか、『弟を連れて来い』などと言われようとは思いも寄りませんでしたから。」 ユダは、父イスラエルに言った。 「あの子をぜひわたしと一緒に行かせてください。それなら、すぐにでも行って参ります。そうすれば、我々も、あなたも、子供たちも死なずに生き延びることができます。 あの子のことはわたしが保障します。その責任をわたしに負わせてください。もしも、あの子をお父さんのもとに連れ帰らず、無事な姿をお目にかけられないようなことにでもなれば、わたしがあなたに対して生涯その罪を負い続けます。 こんなにためらっていなければ、今ごろはもう二度も行って来たはずです。」 すると、父イスラエルは息子たちに言った。 「どうしてもそうしなければならないのなら、こうしなさい。この土地の名産の品を袋に入れて、その人への贈り物として持って行くのだ。乳香と蜜を少し、樹脂と没薬、ピスタチオやアーモンドの実。 それから、銀を二倍用意して行きなさい。袋の口に戻されていた銀も持って行ってお返しするのだ。たぶん何かの間違いだったのだろうから。 では、弟を連れて、早速その人のところへ戻りなさい。 どうか、全能の神がその人の前でお前たちに憐れみを施し、もう一人の兄弟と、このベニヤミンを返してくださいますように。このわたしがどうしても子供を失わねばならないのなら、失ってもよい。」 息子たちは贈り物と二倍の銀を用意すると、ベニヤミンを連れて、早速エジプトへ下って行った。 さて、一行がヨセフの前に進み出ると、 ヨセフはベニヤミンが一緒なのを見て、自分の家を任せている執事に言った。 「この人たちを家へお連れしなさい。それから、家畜を屠って料理を調えなさい。昼の食事をこの人たちと一緒にするから。」 執事はヨセフに言われたとおりにし、一同をヨセフの屋敷へ連れて行った。 一同はヨセフの屋敷へ連れて来られたので、恐ろしくなって、「これはきっと、前に来たとき我々の袋に戻されていたあの銀のせいだ。それで、ここに連れ込まれようとしているのだ。今に、ろばもろとも捕らえられ、ひどい目に遭い、奴隷にされてしまうにちがいない」と思った。
創世記 43:1-18 Japanese: 聖書 口語訳 (口語訳)
ききんはその地に激しかった。 彼らがエジプトから携えてきた穀物を食い尽した時、父は彼らに言った、「また行って、われわれのために少しの食糧を買ってきなさい」。 ユダは父に答えて言った、「あの人はわれわれをきびしく戒めて、弟が一緒でなければ、わたしの顔を見てはならないと言いました。 もしあなたが弟をわれわれと一緒にやってくださるなら、われわれは下って行って、あなたのために食糧を買ってきましょう。 しかし、もし彼をやられないなら、われわれは下って行きません。あの人がわれわれに、弟が一緒でなければわたしの顔を見てはならないと言ったのですから」。 イスラエルは言った、「なぜ、もうひとりの弟があるとあの人に言って、わたしを苦しめるのか」。 彼らは言った、「あの人がわれわれと一族とのことを問いただして、父はまだ生きているか、もうひとりの弟があるかと言ったので、問われるままに答えましたが、その人が、弟を連れてこいと言おうとは、どうして知ることができたでしょう」。 ユダは父イスラエルに言った、「あの子をわたしと一緒にやってくだされば、われわれは立って行きましょう。そしてわれわれもあなたも、われわれの子供らも生きながらえ、死を免れましょう。 わたしが彼の身を請け合います。わたしの手から彼を求めなさい。もしわたしが彼をあなたのもとに連れ帰って、あなたの前に置かなかったら、わたしはあなたに対して永久に罪を負いましょう。 もしわれわれがこんなにためらわなかったら、今ごろは二度も行ってきたでしょう」。 父イスラエルは彼らに言った、「それではこうしなさい。この国の名産を器に入れ、携え下ってその人に贈り物にしなさい。すなわち少しの乳香、少しの蜜、香料、もつやく、ふすだしう、あめんどう。 そしてその上に、倍額の銀を手に持って行きなさい。また袋の口に返してあった銀は持って行って返しなさい。たぶんそれは誤りであったのでしょう。 弟も連れ、立って、またその人の所へ行きなさい。 どうか全能の神がその人の前であなたがたをあわれみ、もうひとりの兄弟とベニヤミンとを、返させてくださるように。もしわたしが子を失わなければならないのなら、失ってもよい」。 そこでその人々は贈り物を取り、また倍額の銀を携え、ベニヤミンを連れ、立ってエジプトへ下り、ヨセフの前に立った。 ヨセフはベニヤミンが彼らと共にいるのを見て、家づかさに言った、「この人々を家に連れて行き、獣をほふって、したくするように。この人々は昼、わたしと一緒に食事をします」。 その人はヨセフの言ったようにして、この人々をヨセフの家へ連れて行った。 ところがこの人々はヨセフの家へ連れて行かれたので恐れて言った、「初めの時に袋に返してあったあの銀のゆえに、われわれを引き入れたのです。そしてわれわれを襲い、攻め、捕えて奴隷とし、われわれのろばをも奪うのです」。