このあと三人の客は腰を上げ、ソドムに向かいました。アブラハムは彼らを見送ろうと、途中までいっしょに歩いて行きました。 その時、主は考えました。「わたしの計画をアブラハムに隠しておいていいだろうか。 アブラハムの子孫は大きな国になるのだし、世界中の国々が彼のおかげで祝福を受けるのだ。 わたしは彼を選んで、主を敬う、正しく善良な者たちを彼の子孫から起こそうとしている。その約束は果たさなければならない。」 そこで主は、アブラハムに打ち明けました。「ソドムとゴモラの住民は、すっかり悪に染まってしまったという。ずいぶんひどいことをしているようだ。 今、その知らせがほんとうかどうか調べに行くところなのだ。向こうに着けばはっきりわかるだろう。」 ほかの二人は、そのままソドムへ向かいましたが、アブラハムはなお主の前に立っていました。彼は恐る恐る神に近づいて言いました。「お尋ねしてもよろしいでしょうか。あなたは正しい人も悪人も同じように殺してしまうおつもりですか。 もしあの町に正しい人が五十人いたとしても、それでも滅ぼされますか。その人たちのために町を救おうとはなさらないのですか。 だとしたら、正義はどこにあるのでしょう。悪人も正しい人もいっしょに殺してしまうなどということを、あなたがなさるはずはありません。もしも、もしもそんなことをされるなら、正しい人も悪人も全く同じ扱いをされることになってしまいます。あなたは決してそんなことはなさらないでしょう。全地をさばかれる方は、公平でなければならないのですから。」 「わかった。正しい人が五十人見つかったら、彼らのために町全体を救うことにしよう。」 「ありがとうございます。こう申し上げる私自身が、ちりや灰にすぎない者だということは、よく承知しております。ですが、もう少しお尋ねしてよろしいでしょうか。 もし正しい人が四十五人しかいない時にはどうでしょう。五人足りないだけで、町をすべて滅ぼされますか。」 「四十五人いれば滅ぼすまい。」 「では、四十人しかいなかったら?」 「四十人でも。」 「どうぞお怒りにならないでください。あえてお聞きするのですが、三十人ではいかがですか。」 「やはり滅ぼすまい。」 「許されるなら、もう少し続けさせてください。もし二十人だけでしたら?」 「よろしい。その二十人のために滅ぼさない。」 「神様、お怒りにならないでください。もうひと言だけ、これが最後です。もしも、たった十人だったら、いかがでしょう。」 「もうよい。その十人のために町を滅ぼすことはしない。」 主はアブラハムと話し終えると、去って行きました。アブラハムは自分のテントに帰って行きました。
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