サムエル記Ⅱ 18:23-33

サムエル記Ⅱ 18:23-33 JCB

「わかっております。しかし、とにかく行かせてほしいのです。」 あまりの熱心さに、ついにヨアブも、「まあ、よい。そんなに行きたければ行くがいい」と折れました。するとアヒマアツは、平原を通り抜けて近回りをし、先のクシュ人よりも先に着いたのです。 ダビデは町の門のところに腰かけていました。見張りが城壁のてっぺんのやぐらに上ると、ただ一人で駆けて来る男の姿が目に入りました。 このことを大声で告げるとダビデは、「一人か。それなら、きっと良い知らせだ」と叫びました。 しかし、第一の使者のあとから少し間をおいて、 もう一人の男が走って来るのを、見張りは確認しました。「もう一人、やってまいります。」彼は大声で叫びました。 「うん、それも吉報に違いない。」王はうなずきました。 「最初に来るのは、ツァドクの息子アヒマアツのようです。」 「あれはいいやつだ。悪い知らせなど持って来るはずがない。」 アヒマアツは、「万事首尾よくまいりました!」と叫ぶと、王の前にひれ伏し、さらにことばを続けました。「主はすばらしいお方です。王様をお守りくださいました。反逆者どもは一網打尽です。」 「それで、アブシャロムはどうした。無事なのか。」 「ヨアブ将軍からこの使いをことづかりました際、何か騒ぎがあったようで叫び声を耳にしましたが、くわしいことは知りません。」 「よかろう。ここで待っておれ。」アヒマアツは、わきに退きました。 するとクシュ人が到着し、「王様、吉報でございます! 本日、主は、すべての謀反人どもからあなたをお救いくださいました」と報告しました。 「それで無事なのか!? 息子のアブシャロムは。」 「あなたに敵する者に、あの方の姿はよい見せしめとなりました。」 すると王の目から涙があふれ、彼は門の屋上に上り、そこで泣き叫びました。「ああ、アブシャロムよ。わが子、アブシャロム! こんなことなら、私が代わって死ねばよかった。ああ、アブシャロム。ああ、わが子よ!」