エリシャが回復不能の病気になった時のこと、イスラエルの王ヨアシュはその病床を訪れ、泣き伏して言いました。「わが父、わが父。あなたはイスラエルの力です!」 そこでエリシャが、「弓と矢を取り、 東の窓を開けなさい」と言いました。さらに、弓に手をかけるように言い、自分の手を王の手に重ねました。「矢を射なさい。」王は、言われるとおりにしました。すると、エリシャは言いました。「これは主の矢、シリヤに対する勝利の矢だ。あなたはアフェクで、シリヤ軍をみごとに破るだろう。 さあ、別の矢を取り、それを地面に向かって射ちなさい。」 王は矢を取って三度、地を射ちました。 しかし、預言者は怒って言いました。「あなたは三度だけでなく、五度も六度も打つべきだった。そうすれば、シリヤを徹底的に滅ぼせたのに。これでは、三度しか勝つことはできない。」 こうしてエリシャは死に、葬られました。そのころ、毎年春になると、モアブの略奪隊がこの国に侵入して来ました。ある時、友人を葬ろうとしていた人々が略奪隊を見つけ、あわてて死体をエリシャの墓に投げ込んで立ち去りました。すると、どうでしょう。死体がエリシャの骨に触れたとたん、その人は生き返り、自分の足で立ち上がったのです。 シリヤの王ハザエルは、エホアハズが治めている間中、イスラエルを圧迫しました。 それでも、主がイスラエルの民を思いやったので、根絶やしになるようなことはありませんでした。それは主が、アブラハム、イサク、ヤコブとの契約を忘れなかったからです。この契約は今も変わっていません。 シリヤの王ハザエルが死に、息子ベン・ハダデ三世が王になりました。 エホアハズの子でイスラエルの王ヨアシュは、三度の勝利によって、父が失った町々をベン・ハダデから取り返しました。
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