ルカによる福音書 18:19-43

ルカによる福音書 18:19-43 口語訳

イエスは言われた、「なぜわたしをよき者と言うのか。神ひとりのほかによい者はいない。 いましめはあなたの知っているとおりである、『姦淫するな、殺すな、盗むな、偽証を立てるな、父と母とを敬え』」。 すると彼は言った、「それらのことはみな、小さい時から守っております」。 イエスはこれを聞いて言われた、「あなたのする事がまだ一つ残っている。持っているものをみな売り払って、貧しい人々に分けてやりなさい。そうすれば、天に宝を持つようになろう。そして、わたしに従ってきなさい」。 彼はこの言葉を聞いて非常に悲しんだ。大金持であったからである。 イエスは彼の様子を見て言われた、「財産のある者が神の国にはいるのはなんとむずかしいことであろう。 富んでいる者が神の国にはいるよりは、らくだが針の穴を通る方が、もっとやさしい」。 これを聞いた人々が、「それでは、だれが救われることができるのですか」と尋ねると、 イエスは言われた、「人にはできない事も、神にはできる」。 ペテロが言った、「ごらんなさい、わたしたちは自分のものを捨てて、あなたに従いました」。 イエスは言われた、「よく聞いておくがよい。だれでも神の国のために、家、妻、兄弟、両親、子を捨てた者は、 必ずこの時代ではその幾倍もを受け、また、きたるべき世では永遠の生命を受けるのである」。 イエスは十二弟子を呼び寄せて言われた、「見よ、わたしたちはエルサレムへ上って行くが、人の子について預言者たちがしるしたことは、すべて成就するであろう。 人の子は異邦人に引きわたされ、あざけられ、はずかしめを受け、つばきをかけられ、 また、むち打たれてから、ついに殺され、そして三日目によみがえるであろう」。 弟子たちには、これらのことが何一つわからなかった。この言葉が彼らに隠されていたので、イエスの言われた事が理解できなかった。 イエスがエリコに近づかれたとき、ある盲人が道ばたにすわって、物ごいをしていた。 群衆が通り過ぎる音を耳にして、彼は何事があるのかと尋ねた。 ところが、ナザレのイエスがお通りなのだと聞かされたので、 声をあげて、「ダビデの子イエスよ、わたしをあわれんで下さい」と言った。 先頭に立つ人々が彼をしかって黙らせようとしたが、彼はますます激しく叫びつづけた、「ダビデの子よ、わたしをあわれんで下さい」。 そこでイエスは立ちどまって、その者を連れて来るように、とお命じになった。彼が近づいたとき、 「わたしに何をしてほしいのか」とおたずねになると、「主よ、見えるようになることです」と答えた。 そこでイエスは言われた、「見えるようになれ。あなたの信仰があなたを救った」。 すると彼は、たちまち見えるようになった。そして神をあがめながらイエスに従って行った。これを見て、人々はみな神をさんびした。