そこで彼らはエレミヤを捕え、監視の庭にある王子マルキヤの穴に投げ入れた。すなわち、綱をもってエレミヤをつり降ろしたが、その穴には水がなく、泥だけであったので、エレミヤは泥の中に沈んだ。 王の家の宦官エチオピヤびとエベデメレクは、彼らがエレミヤを穴に投げ入れたことを聞いた。その時、王はベニヤミンの門に座していたので、 エベデメレクは王の家から出て行って王に言った、 「王なるわが君よ、この人々が預言者エレミヤにしたことはみな良いことではありません。彼を穴に投げ入れました。町に食物がなくなりましたから、彼はそこで餓死するでしょう」。 王はエチオピヤびとエベデメレクに命じて言った、「ここから三人のひとを連れて行って、預言者エレミヤを、死なないうちに穴から引き上げなさい」。 そこでエベデメレクはその人々を連れて王の家の倉の衣服室に行き、そこから古い布切れや、着ふるした着物を取り、これを穴の中にいるエレミヤのところへ、綱をもってつり降ろした。 そしてエチオピヤびとエベデメレクは、「この布切れや着物を、あなたのわきの下にはさんで、綱に当てなさい」とエレミヤに言った。エレミヤはそのようにした。 すると彼らは綱をもってエレミヤを穴から引き上げた。そしてエレミヤは監視の庭にとどまった。 ゼデキヤ王は人をつかわして預言者エレミヤを主の宮の第三の門に連れてこさせ、王はエレミヤに言った、「あなたに尋ねたいことがある。何事もわたしに隠してはならない」。 エレミヤはゼデキヤに言った、「もしわたしがお話するなら、あなたは必ずわたしを殺されるではありませんか。たといわたしが忠告をしても、あなたはお聞きにならないでしょう」。 その時ゼデキヤ王は、ひそかにエレミヤに誓って言った、「われわれの魂を造られた主は生きておられる。わたしはあなたを殺さない、またあなたの命を求める者の手に、あなたを渡すこともしない」。 そこでエレミヤはゼデキヤに言った、「万軍の神、イスラエルの神、主はこう仰せられる、もしあなたがバビロンの王のつかさたちに降伏するならば、あなたの命は助かり、またこの町は火で焼かれることなく、あなたも、あなたの家の者も生きながらえることができる。 しかし、もしあなたが出てバビロンの王のつかさたちに降伏しないならば、この町はカルデヤびとの手に渡される。彼らは火でこれを焼く。あなたはその手をのがれることができない」。 ゼデキヤ王はエレミヤに言った、「わたしはカルデヤびとに脱走したユダヤ人を恐れている。カルデヤびとはわたしを彼らの手に渡し、彼らはわたしをはずかしめる」。 エレミヤは言った、「彼らはあなたを渡さないでしょう。どうか、わたしがあなたに告げた主の声に聞き従ってください。そうすれば幸を得、また命が助かります。 しかし降伏することを拒むならば、主がわたしに示された幻を申しましょう。 すなわち、ユダの王の家に残っている女たちは、みなバビロンの王のつかさたちの所へ引いて行かれます。その女たちは言うのです、 『あなたの親しい友だちがあなたを欺いた、 そしてあなたに勝った。 今あなたの足は泥に沈んでいるので、 彼らはあなたを捨てて去る』。
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