創世記 21:12-34

創世記 21:12-34 新共同訳

神はアブラハムに言われた。 「あの子供とあの女のことで苦しまなくてもよい。すべてサラが言うことに聞き従いなさい。あなたの子孫はイサクによって伝えられる。 しかし、あの女の息子も一つの国民の父とする。彼もあなたの子であるからだ。」 アブラハムは、次の朝早く起き、パンと水の革袋を取ってハガルに与え、背中に負わせて子供を連れ去らせた。ハガルは立ち去り、ベエル・シェバの荒れ野をさまよった。 革袋の水が無くなると、彼女は子供を一本の灌木の下に寝かせ、 「わたしは子供が死ぬのを見るのは忍びない」と言って、矢の届くほど離れ、子供の方を向いて座り込んだ。彼女は子供の方を向いて座ると、声をあげて泣いた。 神は子供の泣き声を聞かれ、天から神の御使いがハガルに呼びかけて言った。 「ハガルよ、どうしたのか。恐れることはない。神はあそこにいる子供の泣き声を聞かれた。 立って行って、あの子を抱き上げ、お前の腕でしっかり抱き締めてやりなさい。わたしは、必ずあの子を大きな国民とする。」 神がハガルの目を開かれたので、彼女は水のある井戸を見つけた。彼女は行って革袋に水を満たし、子供に飲ませた。 神がその子と共におられたので、その子は成長し、荒れ野に住んで弓を射る者となった。 彼がパランの荒れ野に住んでいたとき、母は彼のために妻をエジプトの国から迎えた。 そのころ、アビメレクとその軍隊の長ピコルはアブラハムに言った。 「神は、あなたが何をなさっても、あなたと共におられます。 どうか、今ここでわたしとわたしの子、わたしの孫を欺かないと、神にかけて誓って(シャバ)ください。わたしがあなたに友好的な態度をとってきたように、あなたも、寄留しているこの国とわたしに友好的な態度をとってください。」 アブラハムは答えた。「よろしい、誓いましょう。」 アブラハムはアビメレクの部下たちが井戸を奪ったことについて、アビメレクを責めた。 アビメレクは言った。 「そんなことをした者がいたとは知りませんでした。あなたも告げなかったし、わたしも今日まで聞いていなかったのです。」 アブラハムは、羊と牛の群れを連れて来て、アビメレクに贈り、二人は契約を結んだ。 アブラハムは更に、羊の群れの中から七匹(シェバ)の雌の小羊を別にしたので、 アビメレクがアブラハムに尋ねた。 「この七匹の雌の小羊を別にしたのは、何のためですか。」 アブラハムは答えた。 「わたしの手からこの七匹の雌の小羊を受け取って、わたしがこの井戸(ベエル)を掘ったことの証拠としてください。」 それで、この場所をベエル・シェバと呼ぶようになった。二人がそこで誓いを交わしたからである。 二人はベエル・シェバで契約を結び、アビメレクと、その軍隊の長ピコルはペリシテの国に帰って行った。 アブラハムは、ベエル・シェバに一本のぎょりゅうの木を植え、永遠の神、主の御名を呼んだ。 アブラハムは、長い間、ペリシテの国に寄留した。