コヘレトの言葉 2:1-14

コヘレトの言葉 2:1-14 新共同訳

わたしはこうつぶやいた。 「快楽を追ってみよう、愉悦に浸ってみよう。」 見よ、それすらも空しかった。 笑いに対しては、狂気だと言い 快楽に対しては、何になろうと言った。 わたしの心は何事も知恵に聞こうとする。しかしなお、この天の下に生きる短い一生の間、何をすれば人の子らは幸福になるのかを見極めるまで、酒で肉体を刺激し、愚行に身を任せてみようと心に定めた。 大規模にことを起こし 多くの屋敷を構え、畑にぶどうを植えさせた。 庭園や果樹園を数々造らせ さまざまの果樹を植えさせた。 池を幾つも掘らせ、木の茂る林に水を引かせた。 買い入れた男女の奴隷に加えて わたしの家で生まれる奴隷もあり かつてエルサレムに住んだ者のだれよりも多く 牛や羊と共に財産として所有した。 金銀を蓄え 国々の王侯が秘蔵する宝を手に入れた。 男女の歌い手をそろえ 人の子らの喜びとする多くの側女を置いた。 かつてエルサレムに住んだ者のだれにもまさって わたしは大いなるものとなり、栄えたが なお、知恵はわたしのもとにとどまっていた。 目に望ましく映るものは何ひとつ拒まず手に入れ どのような快楽をも余さず試みた。 どのような労苦をもわたしの心は楽しんだ。 それが、労苦からわたしが得た分であった。 しかし、わたしは顧みた この手の業、労苦の結果のひとつひとつを。 見よ、どれも空しく 風を追うようなことであった。 太陽の下に、益となるものは何もない。 また、わたしは顧みて 知恵を、狂気と愚かさを見極めようとした。 王の後を継いだ人が 既になされた事を繰り返すのみなら何になろうか。 わたしの見たところでは 光が闇にまさるように、知恵は愚かさにまさる。 賢者の目はその頭に、愚者の歩みは闇に。 しかしわたしは知っている 両者に同じことが起こるのだということを。

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